弁理士試験三次試験(最終関門 コミュニケーション能力のチェック)合格率98%以上

二次試験突破又は突破見込み!

口述試験の雰囲気を知りたい!

この記事は、そんな方に向けて書いています。

こんにちは。

2005年からの知財業界在住、サラリーマン弁理士ブロガーのパテろうです。

 

弁理士試験の山場の論文試験を終え、一段落。

口述試験の合格率を見ると、テンションは上がりっぱなしで中々勉強に本腰が入らない!!

ただ、先輩合格者に口述試験の内容を聞くとそれほど楽観的にもなれない、、、、

実際の試験を迎えるまでは何とも言えない不安な日々を過ごしているのではないでしょうか?

筆者の体験をもとに試験の雰囲気を伝え、適切な準備を行なっていただければと思います。

どうぞ宜しくお願いします。

受験日程及び合格基準

三次試験は10月中旬の受験者毎に指定された日に実施されます。

試験範囲は、特許法・実用新案法、意匠法、商標法の3科目、それぞれ10分の面談で知識を確認する形式で、弁理士としてクライアントや審査官と適切なコミュニケーションが取れるかを確認する事を目的に行われます。

受験者の回答をA、B、Cに分類し、合格基準はCが2科目以上無いことです。

 A:答えが良くできている場合

 B:答えが普通にできている場合

 C:答えが不十分である場合

控え室の雰囲気

試験会場では同じ回の受験者が控室に待機させられます。

控室は普段はホテルの宿泊室になっている部屋をベットを取り外して順番待ちの受験生用の椅子を20脚程度並べています。

受験生は控室の椅子に座り、試験官に番号を呼ばれるまで自由に自習ができますが、試験監督の監視により控室内での会話や外部との連絡は禁止されます。

トイレに入る際は外部との連絡を防止するため、携帯電話等の保持有無を確認する為の金属探知機でのボディチェックを受けた上でトイレの個室への入室可能となります。

女性は控室から女性の試験官に伴われ、別室のトイレに移動しますが、男性は控室のトイレで用をたすことになります。

控室のトイレは椅子に座った受験者から見えるので、男性はトイレに行くのが、かなり恥ずかしい。

女性もトイレに行くことが受験者全員に分かってしまうため、あまり気分の良いものではないと思います。

筆者の順番は最後の方だったので、当初は最後の悪あがきができるためラッキーと思っていましたが、控室はこんな感じのため、呼ばれる順番は早めの方が精神的な負担は少ないように思います。

いよいよ受験会場へ

試験官から番号を呼ばれた受験生から試験室に移動します。

受験科目は3科目ありますので、特許法・実用新案法、意匠法、商標法の順で3部屋の試験室を巡り、終わった人から解散となります。

審査官の誘導に従い試験室をノックして入室します。

1科目当たりの試験時間は10分で試験時間の延長は認められません。

試験終了後は、次の試験室の前で待機しますが、待ち時間はほぼ無くスムーズに次の試験が開始されます。

試験は主査と副査の計2名の試験官との対面形式で行われます。

主査が口頭で出題し、副査は卓上ベルを試験開始後8分経過時と10分経過時に鳴らします。

2度目のベルが鳴った段階で試験は終了となります。

2度目のベルが鳴るまでに、最後の問題の回答までたどり着けなかった場合、その科目の採点はCとなってしまいます。

時間内に最後まで辿り着けたかどうかは試験の雰囲気として分かり難いですが、試験官が雑談を振ってきたときは、その科目は安心して大丈夫です。

試験会場には法文集が置いてありますので、試験官に法文集を参照して良いかを確認の上、条文の内容を確認しての回答は可能です。

但し、回答時には条文集を見ながらの回答は不可で、条文集を閉じた上で回答しなければなりません。

条文は何度、確認しても良いのですが、条文を見た場合には手持ち時間が消耗してしまうことで最後の問題まで辿り着けないリスクが高まりますので、法文集無しで対応できるように過去問で高頻出の条文は暗記しておくことをお勧めします。

三次試験は、合格率は98%以上で受験者を落とす為の試験では無いですが、試験官の雰囲気も決して和やかな雰囲気では無く、条文の知識と理解を冷静に確認されます。

筆者の周りでも試験で、特許権の効力を聞かれ、68条の「業として」の文言が抜けていることに気づかず、時間切れとなった人も居ます。試験官が次の問題に進めてくれない場合には、早めに条文を確認しましょう。

ただ、この試験は、クライアントや審査官とのコミュニケーション能力を見る為の試験でもあるので、回答に詰まったとしても黙らずに何かを回答しさえすれば、高い確率で試験官からの助け船を引き出せます。

試験準備

試験範囲は条文と青本に限られ、問題も基本事項の確認に留まりますので、過去問の確認を中心に条文と青本の正確な知識が定着できれば、試験対策としては十分です。

但し、面談形式という、あまり体験したことの無い特殊な形態と、金属探知機を持った試験官に監視される控室の雰囲気の中では普段の実力が出せ無いことも考えられます。

これを踏まえ、場に慣れるため、口述の練習会への参加や家族等に過去問集を渡して試験官役をやってもらうことで口から回答が出せるようにしておくのが良いです。

この試験に落ちてしまった場合、受験者は1年間、その対策に頭を悩ませることになります。

これを避けるため、その年に受かり切るように試験日までに過剰と思う程度にしっかりと条文、青本の読み込みと試験の模擬練習を行いましょう。

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