弁理士試験二次試験(本番 法律文書のスキルチェック)合格率25%前後

 二次試験は必須科目と選択科目に分かれています。

必須科目の試験は、弁理士試験の山場であり、弁理士として特許庁に提出する書類を作成できる素養があるかをチェックする試験となり、一次試験から6週間後の日曜日(6月最後または7月最初の日曜日)に行われます。 

出題形式は、特許法・実用新案法から2題(合わせて120分)、意匠法、商標法はそれぞれ1題(90分)、3科目合計4題 300分の試験となります。

必須科目は、標準偏差による調整を行って点数が確定される点がユニークで、合格点は3科目の平均点が54点以上で、47点以下の科目がないことが条件となります。標準偏差による点数調整が行われている為、合格率はほぼ25%前後で一定となります。

 

必須科目は法律を扱って法律文書を記述できるか否かをチェクするため、試験では問題、回答用紙と共に法文集が配布されます。法文集は科目毎に回答用紙と共に回収され、最後の商標の試験終了後は持ち帰る事ができます。

法文集は弁理士試験の対象となる法律と施行規則が記載されている為、厚みと大きさであり、初めての場合は扱いに慣れるのに時間がかかると思いますので、試験を受ける前にLEC等の条文集を購入しておくか、受験経験者に見せて貰い、実物のイメージを固めておく事がお勧めです。

必須科目に合格すれば、合格証明書が送付され、次年度以降はそのコピーを願書に添付して提出することで、翌年度と翌々年度は必須科目の試験免除となります。

ただ、三次試験に落ちた場合の次の年に一次試験の免除期間が切れてしまっていたときは、三次試験受験を受験する為には一次試験のみ再度、受験する必要が出てきます。

選択科目は、受験願書の提出時に下記6科目の中から一つを選択します。その後の受験科目の変更はできません。

選択科目の科目名試験時間
理工Ⅰ(機械・応用力学)1.5時間
理工Ⅱ(数学・物理)1.5時間
理工Ⅲ(化学)1.5時間
理工Ⅳ(生物)1.5時間
理工Ⅴ(情報)1.5時間
法律(民法)1.5時間

 合格基準は素点で60点以上で、選択科目は一次試験や必須科目と異なり、一度、合格すれば免除は永久に継続します。

ただ、選択科目は必須科目の受験後、約一月後に実施されます。難易度は必須科目程には高く無い様ですが、試験範囲も必須科目と異なり、時間的な余裕は無いため、計画的な準備が必要です。修士課程以上を修了している等、免除申請の資格がある人は、免除申請を行う事がお勧めです。

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二次試験の合格発表は試験から約2月半後の9月中旬頃となります。この間は受験生にとっては休息期間になるのですが、合格発表から三次試験までの期間は1月程度しか無いため、8月頃から条文と青本の読み込みは開始しておくことがお勧めです。

筆者は合格後に小規模の私ゼミで講師を行いましたが、その経験を踏まえ、受験生が論文の論点をベースに点数が伸ばすポイントを記事にしてみました。参考になれば嬉しいです。

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