保護されない産業財産

 論文試験で、保護されない発明や意匠、商標について論述する事を求められた場合の切り口の解説です。

 仮にこの様な論点が出題された場合、出題者の意図は1条の手段と法目的との関係を理解しているかの確認にあります。

 この様な問題が出題される可能性のあるは、論述問題の出題傾向の高い意匠法ですので、意匠法1条をみてみます。

 「この法律は、意匠の保護及び利用を図ることにより、意匠の創作を奨励もつて産業の発達に寄与することを目的とする。」

 青字部分の「意匠の保護及び利用を図ることにより、意匠の創作を奨励し、」が手段となり、

赤字部分の「産業の発達に寄与する」が法目的です。

 すなわち、法目的と手段との関係を踏まえると、下記の関係が成り立ちます。

   法目的の達成に寄与しない産業財産 = 保護の価値が無い産業財産 

 出題者はこの関係が理解できているかが最も確認したいこと(配点の大きな部分)となりますので、この部分を強調して論述すると心象点が上がり、点数が大きく伸びると思います。

 後は意3条1項柱書や意5条1号等、保護されない意匠に関する条文を列挙していけば加点事由となります。

 くれぐれも意3条1項柱書や意5条1号から論述し始めると出題者の意図にフィットしないので点数は伸び難くなり、少しの記載ミスで合格点に達しない事態になります。

 弁理士試験

 弁理士試験論点

 弁理士論文試験 論点と書き方

 考案と意匠との違い(一致点、相違点問題)

 物を生産する際に必要な測定方法の発明の特許権により、当該特許発明を使用して生産された物の製造、販売等の行為を差止めることができ得るか?

 専用実施権を設定した範囲において、特許権者による権利行使の可否

 従来から存在した化合物の新規な用途を見いだした場合に用途発明として特許を受けることが出来得るか?

 均等論は認められるべきか?(論点問題)

 意匠権の効力がなぜ、登録意匠に類似する意匠にまで及ぶか?(論点問題)

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