二次試験はその年度とその前年度の一次試験の合格者が受験できます。
筆記試験と口述試験とからなり、記述試験は中方企業診断士試験の山場となります。
例年は一次試験から11週間目、10月下旬の日曜日に行われます。
出題形式は、中小企業の診断及び助言に関する実務の事例として下記4つの出題されます。
それぞれ80分の計320分です。
事例Ⅰ 組織・人事
事例Ⅱ マーケティング・流通
事例Ⅲ 生産・技術
事例Ⅳ 財務・会計
合格基準は、総点数の60%以上であって、かつ満点の40%未満の科目が無いことです。
近年の合格率は20%未満で推移しています。
筆記試験では電卓の持込みができます。
多くの受験生は全ての事例で電卓を机上においていましたが、電卓が必要になるのは事例Ⅳのみですので、事例Ⅰ~Ⅲの受験中は机のスペースを確保した方が良いので、電卓は鞄にしまっておくのがおすすめです。
事例Ⅰ~Ⅲは事例企業の診断、助言に関して4~5問程度の問題が出題されます。
筆記試験は企業診断能力の可否を確認する試験のため、各事例で出題される4~5問の回答は個々に独立したものとして採点されるのではなく、事例企業の進むべき方向、現状、課題について一貫したストーリーとして記述されているかとして採点されているようです。
具体的には設問1で企業の強み、弱みに関する回答をした場合、その後の設問ではその強みや弱みを意識した回答となっている必要があります。
例えば、設問1で弱みとして営業力を回答しているのに、その後の設問で営業力で課題を解決すると回答すると、設問1の回答やその後の設問の回答単独では妥当であったとしても全体としての評価は低くなるようです。
各予備校の過去問集の回答が各社毎に内容がかなり異なる理由は設問1で企業の現状を捉えた結果の違いに基づき、その後の回答の一貫性を重視した結果と思います。
各予備校の問題も設問毎の回答として参照するのではなく、設問全体として参照するようにしましょう。
この辺りの感覚を一人で短期間で掴むのは難しいため、合格者等に答案を確認して助言を貰うのが近道と思います。
事例Ⅳは事例企業に関して4問程度の設問が出る点では事例Ⅰ~Ⅲと同じですが、事例企業の与件文短く、設問毎に問われる会計知識や能力を測るもので、回答全体を通しての統一性はそれ程、求められません。
この事例Ⅳは学習時間に比例して点数が伸びていく傾向があるのですが、毎年、少し捻った設問が数題出るため、予備校等の力を借りるのが近道かもしれません。
また、独学で勉強される方は、事例Ⅳ向けに特化した市販の問題集は少ないため、試験制度改正後の平成13年度以降の過去問を全て入手して繰り返し問題を解くのが良いと思います。
二次試験のお勧めの勉強法としては、各種受験機関の過去問集を10年程度揃えると共に、ふぞろいな合格答案を参考に合格ラインの答案のレベルを理解する事です。
なお、ふぞろいな合格答案の答案分析は記載するキーワードを参考するのに好ましいのですが、回答の一貫性は把握し難いため、併せて再現答案も参考にしておく使い方が良いです。
下記記事では、二次試験を独学で受験する場合のお勧めのテキストと各事例のポイントをまとめていますので参考にして下さい。