試験では設問に合った回答をした!のに模範回答を確認すると自分の解答がずれていた、、、
できたと思ったのに試験結果はB評価、、、
模範解答のキーワードは入っているのに、、、何で??
もしかすると、設問に対してずれた解答になっているのかもしれません、、、、
この記事では中小企業診断士二次試験での失敗のリスクを減らすため、設問に対してずれない解答を作成する方法を紹介を紹介します。
2020年度、中小企業診断士試験合格、本業プラスαの生活を目指して情報発信してるパテろうです。
普段と違う雰囲気にのまれ、解答を作成したいく中で知識をアピールするために知っているキーワードや知識を色々と付け足してしまい、全体として設問から解答がずれていく、、、、、
気づかずに設問からずれた解答をしている場合も多く発生しているのではないでしょうか?
設問に対し、解答がズレると言うことは、診断士とクライアントの会話をイメージするとクライアントの質問に対してずれた解答をしていることになるため、診断士の試験では当然、点数が伸びません。場合によっては致命傷になってしまっていることもあり得ます。
特に記述試験は一次試験のような選択問題と異なり、正解と不正解の線引きは曖昧な部分もあり、採点官が答案から受ける心象で点数が大きく左右します。
診断士としてクライアントの疑問に答えれない、すなわち設問に対して解答がずれている場合には採点官の答案への心象が悪くなり、どうしても答案中の論理の矛盾点やキーワードの不適切な使用等が目につき、結果として答案の粗探しとなる場合があります。
この記事では、受験を通じて得た設問と解答とを一致させるためのノウハウをシェアすることで、これから中小企業診断士の筆記試験に挑戦する方に短期で試験を突破してもらいたいと思います。
独学で合格を目指す方だけでなく、予備校を活用されている方も参考になると思います。
どうぞ宜しくお願いします。
設問文の末尾を目立つように蛍光ペン等でマーク
与件文を読み込む前に、まず設問の切り口全体の流れを知るために設問文を読みながら設問文の末尾を目立つ色でマークしていきましょう。
筆者は明るく目立つ色としてオレンジ色でマークしていました。
マークすることの効果は下記2点です。
設問の流れ(経営診断書の流れ)を俯瞰的に把握する。
設問文は4〜5問程度設けられていますが、設問毎に独立したものではなく、最初の方の設問で事例企業の過去の経緯やSWOT分析等の企業の現状分析、中盤で現状の問題点、最後にビジョンや今後の改善点等の流れで作成されています。
これは中小企業診断士が作成する経営診断書の切り口と同じで、最後のビジョンや改善の提案は最初の設問の回答が根拠になります。
出題者の最も聞きたい事項は通常、設問文の末尾に来るため、ここを目立つようにしておけば全体としての設問の流れの骨子が浮かび上がり、与件文で拾っておくべきポイントが明確になります。
回答のミスを減らす。
設問文はクライアントからの質問、回答は質問に対してキャッチボールになっている必要があります。
質問に対しキャッチボールになっていない回答ではクライアントが混乱してしまいます。
例えば、令和2年度の事例1の第1問の設問1は「A社の経営権を得する際に、A社長の祖父は、どのような経営ビジョンを描いていたと考えられるか?」です。この設問に対する回答は「○○と考えられる。」となるはずです。
令和2年度の事例1の第1問の設問2は「A社長の祖父がA社の買収に当たって、前の経営者と経営顧問契約を結んだり、ベテラン従業員を引き受けたりした理由は何か?」です。この設問に対する回答は「理由は○○である」または「○○のためである。」等になるはずです。
出題者の最も聞きたい事項は通常、設問文の末尾に来ます。
つまり、設問文の末尾を意識して回答すれば、解答がズレるリスクをかなり減らせれます.
ただ、普段の会話でも、説明が長くなると途中で何の話をしていたかが分からなくなることは良くあります。
試験でも解答の記述に集中し過ぎて、何の質問に答えていたかのかが分からなくなってしまうこともよくあります。
問題文の末尾を蛍光ペン等でマーク目立たせておけば、途中で話の本題を見失うリスクをかなり低減できます。
解答の書き出しを問題文の末尾に合わせる
出題者の最も聞きたい事項は一部、例外はありますが、理由は何か?や留意すべきか?等のように通常、設問文の末尾に来るため、「理由は〜」「留意点は〜」等の様に問題文の末尾を機械的に解答欄の書き出しとして使用するのは、回答ずれ防止の点からかなり効果的です。
「どのように考えられるか?」のような設問等、この方法を当てはめ難い設問もありますが、そのような設問には解答の記述前に行うことをお勧めする解答のアウトラインの中で気をつける文末として答案構成でメモすることで回答の骨子を整理し、設問と解答とが会話のキャッチボールになっていることを確認しましょう。
与件文で関連しそうな箇所をマークしながら読む
前述の設問文の末尾のマークで浮かび上がらせた設問の流れの骨子を踏まえ、関連する箇所を蛍光ペン等でマークしていきながら与件文を読み込みましょう。
原則は強み、弱み、機会、脅威の切り口で色を変えてマークしていくと記載箇所を視覚で把握できるため、お勧めです。
なお、強み等は与件文で該当するといえそうな事項が複数記載されていることが多いですが、設問の流れや最後の方の設問への回答(診断書の結論部分に相当)の根拠になりそうかの視点で強みとしての重要度を整理してみましょう。
答案構成でアウトラインを固める。
お勧めは答案の記載前に答案のアウトラインを答案構成としてメモすることです。
答案構成では、文頭、与件文から引用する事項、使用したいキーワード、文末等、自分が答案を記載する際に記載したい事項や流れをメモとして記載します。
解答用紙はかなり薄手の紙面のため、複数回の書き直しを行うと時間が無くなると共に解答用紙が弱くなったり、黒くなったりして見た目が汚くなります。
採点官の心象を考えた場合、汚い見た目の答案よりも綺麗な答案を好意的に採点するのが人情ですので、採点時の不確実性を下げるためには書き直しを減らしたいです。
答案構成を行うことで解答のイメージトレーニングができるため、書き直しの回数を確実に減らせます。
解答のアウトラインの中で気をつける事項を答案構成としてメモすることで回答の骨子が整理できると共に答案の文章が頭の中で構築されます。この頭の中でイメージされた文章と設問とが会話のキャッチボールになっていれば、回答が設問から大きくずれていることはありません。
また、設問が「考えられるか?」等、問題文の末尾を解答欄の冒頭で機械的に書き出しにくい場合、解答のアウトラインの中で気をつける文末として答案構成でメモすることで回答の骨子を整理することで解答のズレが発生することを避けれます。
なお、解答の根拠は全て与件文に記載されているため、答案構成及び回答はキーワード以外の部分は原則として与件文から持ってくるようにしましょう。与件文以外の事項を記載すると推測の事項となり事例企業の現実から話がずれていく可能性が高いため、余程の自信がない限り避けましょう。
具体的な答案構成の仕方は下記の記事を参考にして下さい。
中小企業診断士筆記試験、解答の一貫性の担保のための答案構成のすすめ
キーワードを有効活用
キーワードは、例えば事業承継や人材育成等、その短い文言の中に意味を含んでいるため、限られた文字数の中で文章をコンパクトに纏めれると共に、キーワードが適切な場面で使用できれば採点官への強力なアピールになります。
一方で知っているキーワードを羅列する、使用場面を間違う等の場合には採点官の心象が悪くなり、部分点を削られていきます。
キーワードが上手くまとまっている書籍としては下記がお勧めです。
ふぞらいな合格答案シリーズ
答案分析のコーナーで設問毎に受験者が実際に用いた解答キーワードが抽出されています。
実際の受験で用いられた実績あるキーワードであり、過去問からキーワードの使用場面も容易に想像しやすいため、適切な使い方をすれば強力な武器になります。
ただ、不適切な場面で使用すると一気に心象が悪くなるため使用方法は留意して下さい。
二次試験合格者の頭の中にあった全知識シリーズ
こちらは論点毎に使用できるキーワードが整理されています。
論点毎のキーワードを抜けなく覚えるには便利ですが、キーワードのみが広く列挙されており、実際の文例等をイメージしにくいかもしれません。
1文は30〜50字位を目安で区切る。体言止めもあり。
設問文は100文字以内、150文字以内等の字数制限がされており、文章の数は特に制限されていません。
ただ、採点官の読み易さを考えると1文は30文字から50文字、100文字制限の場合には2〜3文で答案を記載するのがお勧めです。
練習方法としては答案構成から答案の全文書きを書き起こすことで、答案構成から文章を書き起こしたときの文章量の目安を把握しておくのが良いです。
これを繰り返すことで、答案構成の分量と文章量の精度が上がり、自分に合った答案構成ができるようになります。
本番までに答案構成と全文書きを何回か行い、万全の状態で試験に臨みましょう!!
問題文の設問と解答との整合性をチェック
最後に会話のキャッチボールになっているかをチェック
最後に改めて設問と解答とが会話のキャッチボールになっていることを確認することで解答ずれを削減できます。
会話のキャッチボールとして違和感がある場合、文頭か文末を修正することで応急措置ができる場合があります。
二次試験は年に1回限りの試験です。落ちるとまた来年の受験準備を行うことになります。また、一次試験の免除は2年間のみのため、一次からの受験になる場合もあります。
こんな背景を考えると、回答ずれによるミスだけは避けたいです。上記の通り、複数回、設問と解答とが会話のキャッチボールになっていることを確認し実力をしっかりと採点官にアピールしましょう。