弁理士一次試験攻略、必須アイテム 四法対照の活用方法

論文試験、過去問の繰り返しでは突破できない。

四法対照法文集を購入したが、どのように使用したら良いか分からない。

この記事はそんな方に向けて弁理士試験一次試験、必須アイテム、四法対照法文集、その作り方、活用方法を解説します。

こんにちは、サラリーマン弁理士ブロガーのパテろうです。

弁理士試験一次試験、弁理士試験の実質的な本番である論文試験受験の足切り試験の位置付けですが、条文の重箱の隅を突くくような問題が多数出題されるため、難易度は非常に高いです。

この試験は5枝の文章を見せて、正解がいくつあるかという問題も出題されるため、過去問に問われた範囲の知識だけでは合格できないように設計されています。

このため、条文の読み込みが必要なのですが、条文の読み込みを助けるありがたい条文集が四法対照です!

 

四法対照とは

四法対照とは、PATECH企画が出版する「産業財産権 四法対照」です。

この法文集では特許法、実用新案法、意匠法、商標法が4行に記載され、特許法に対してその他の3法の類似する条文が縦に比較可能に記載されています。

一次試験者が必ず悩む特許法の引用等も整理して記載されているので、過去問を解いているときに条文の確認を手抜きしたくなる引用の場合の根拠条文にも見つけ易いです。

また、該当する条文の無い部分は余白になっていて、四法間の条文の規定や文言の違い、条文の引用関係、過去問での出題状況、関連する条約等の情報を余白部分に記載していき、この条文集をノート代わりとして知識を集積できます。

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四法対照の用途

特許法、実用新案法、意匠法、商標法の違いを効率的に俯瞰できる四法対照ですが、用途は一次試験限定です。

この法文集、各法律の類似する条文を縦に比較できることが最大のメリットですが、これにより特許法以外の法律の条文の記載順序が番号順ではなく特許法に合わせて記載されています。

このため、実用新案法、意匠法、商標法の該当条文は特許法の該当条文をもとに探すことになります。

二次試験で受験用に配布される法文集は当然、特許法、実用新案法、意匠法、商標法の順に記載されていますので、四法対照での条文の探し方に慣れてしまうと二次試験本番は条文を見つけるのに時間がかかってしまうので、一次試験限定と割り切り、二次試験は別の法文集を使用するのが良いです。

 

作り方(育て方)

余白に類似する条文間の相違点、補足情報を集約

四法対照は参考書というよりも法文整理のためのノートとイメージした方が良いため、購入しただけでは役に立ちません。情報を補充して強力な武器にしていく必要があいます。

条文間の相違点のメモ

例えば、拒絶理由(49条)、異議理由(113条)、無効理由(123条)は特許性を判断する理由を列挙しており、重複している理由もあります。しかし、拒絶理由ではシフト補正違反や単一性違反等の形式要件に関する理由があるのに、異義や無効理由には無い等、細部は相違しています。

条文間の相違点は、一次試験で問われる点ですので、その違いを余白部分にメモしましょう。

4法間でも、創作を保護する特許法、意匠法では出願人が特許を受ける権利等を有していない場合は拒絶理由になりますが、商標法には該当する拒絶理由はありません。また、無審査登録主義の実用新案法では、拒絶理由を記載する条文がありません。

これらの点も余白部分で整理していきましょう。

細かな記載の違いのメモ

36条4項、36条6項は拒絶理由ですが、36条5項は拒絶理由ではないです。また、36条4項2号は拒絶理由ですが、無効理由ではありません。条文を注意して読んでいくと違いに気づきます。

一次試験は重箱の隅をつつくような問題ばかりで、この様な細かな違いを問うてきますので、条文を読んで気づいた違いはしっかりとメモしましょう。

用語の補足のメモ

意匠法における物品、商標法における商品、役務等、審査基準の定義や語呂合わせ等の情報も四法対照の余白部分に補充していきましょう。

過去問で問われた箇所のメモ

過去問で出題された箇所も余白に記入しておくと便利です。

データが溜まっていくと、頻出箇所が分かるだけでなく、一次試験で求められる知識のレベル感が整理されていきます。

一次試験では過去問と類似する問題も多数出題されますが、新作問題も一定程度、出題されるため、過去問研究だけでは合格点に届きません。

ただ、条文を暗記するのにも限界があります、、、

そこで、過去問の出題箇所の情報を集約し、求められる知識のレベル感が同じで過去に問われていない部分の当たりをつけましょう!

 

活用方法

条文を最初から順番に最後まで読む

上記の観点で四法対照は作り込むことができますが、先ずは条文を読み込んでいきましょう。

地味ですが、読み込みの抜けを防止するため、最初から順番に読むのがおすすめです。

この際、四法対照の利点を生かし、特許法、実用新案法、意匠法、商標法を縦に比較しながら、各条文を一言一句、丁寧に読み、気づきのメモを記載していきましょう。

準用の記載がある場合は、時間が掛かっても準用先の条文の内容も逐一確認しましょう。

これを3〜4回繰り返していけば、一次試験攻略レベルまで四法対照の情報が整理されていきます。

過去問との反復学習

四法対照の読み込みは一次試験攻略の基本ですが、四法対照の読み込みだけでは面白みがないため、なかなかモチベーションを維持できず、途中で挫折することが多いです。。。。

そこで、勉強に変化をつけるため並行して過去問にも挑戦しましょう。

過去問の良い点は、過去からの出題傾向と条文のどのような部分が問われているかの視点が得られることです。

過去からの出題傾向と条文のどのような部分が問われているかが分かれば、次に問われそうな新作問題の予測がつきます。

過去問を解き、四法対照の関連条文に出題年度等をメモしていきましょう。

データが蓄積した四法対照を最初から順番に読んでいくと、過去に類似の条文が問われていて、現時点では問われていない条文が見えてきます。

なお、予備校作成の問題ですが、過去に問われたものと類似する現時点で問われていない部分を探すのが目的のため、予備校作成の問題の該当箇所のメモは不要です。

予備校作成の問題は、実力チェックとしての使用ができますが、一次試験の突破には必須ではないですので、入手しなくても問題ないです。

過去問との取り組みの目安は10年程度を目安に2〜3回程度です。

過去問と四法対照とを往復していくと、四法対照の側面が汗?で変色してきます。。。。

四法対照の側面が変色する位に四法対照を使い込むと一次試験の合格は近いと思います。頑張りましょう!

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