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弁理士試験

従来から存在した化合物の新規な用途を見いだした場合に用途発明として特許を受けることが出来得るか?

 いわゆる用途発明とは、物の特定の性質(属性)を発見し、この性質を専ら利用する物の発明と解釈されています。(審査基準で,「用途発明とは,(i)ある物の未知の属性を発見し,(ii)この属性により,その物が 新たな用途への使用に適することを見いだしたことに基づく発明をいう」と説明(特許・実用新案審査基準第III部第 2 章第 4 節 3.1.2))  特許法では29条1項各号に定める新規性の無い発明に […]

専用実施権を設定した範囲において、特許権者による権利行使の可否

 専用実施権は特許権と同じ効力が規程されています。結果、特許権者が専用実施権を設定したときは、専用実施権者が特許発明を実施する権利を専有する範囲については特許権の効力が制限される一方で(特許法68条但書)、専用実施権者は専用実施権を設定した範囲で差止請求権等、特許権者に認められる全ての権利が認められます。  これに対し、特許法100条では、特許権者と専用実施権者の双方に差止請求権を認めているが、6 […]

意匠権の効力がなぜ、登録意匠に類似する意匠にまで及ぶか?(論点問題)

 アイデアの範囲はどこまで守れるの??  平成28年の本試験での出題された論点になります。当面、同じ問題が出題される可能性は低いと思いますが、意匠法の保護対象に対する理解を確認できる論点のため、形を変えて問われる可能性はあるため、抑えておいた方が良いと思います。  この論点は、特許法において均等論が認められるべきかの論点と本質的には同じです。 意匠法1条では、意匠の保護を図ると規程していますが、保 […]

物を生産する際に必要な測定方法の発明の特許権により、当該特許発明を使用して生産された物の製造、販売等の行為を差止めることができ得るか?

 クレーム末尾の決定は自己責任??  特許法では、方法の発明と物を生産する方法の発明とは特許法2条3項の通り、与えられる効力の範囲が異なって規定されています。  一方で当該測定方法の発明が物を生産する際に必要不可欠な測定方法として用いられているときは、特許法1条の発明の保護の必要性の観点から、その実体を考慮し実質的に物を生産する方法とみなすという考え方もあります。  しかし、特許法36条5項で特許 […]

均等論は認められるべきか?(論点問題)

 アイデアの範囲は文字で決めれるの??  均等論とは、特許請求の範囲に係る発明と均等なものは特許請求の範囲の記載に基づいて、特許発明の技術的範囲に属するという考え方であり、特許請求の範囲を拡大して解釈するものです。  平成10年2月24日の最高裁判決(無限摺動用ボールスプライン軸受け事件上告審判決)があり、均等論が認められるべきとする趣旨と要件(いわゆる均等の5要件)が示されており、受験生はこれを […]

考案と意匠との違い(一致点、相違点問題)

 意匠法と実用新案法はどちらも物品に係るアイデアを保護する権利!  平成24年の本試験での出題された論点になります。  この様な論点では、なぜ発明と意匠との比較では無く、敢えて考案と意匠との比較かを考えることが重要となります。  比較問題の解法では定石となる考案と意匠の一致点、相違点を整理してみます。話は脇道に逸れますが、出願の審査における新規性の判断も請求項に係る発明と先願発明との一致点、相違点 […]

保護されない産業財産

 論文試験で、保護されない発明や意匠、商標について論述する事を求められた場合の切り口の解説です。  仮にこの様な論点が出題された場合、出題者の意図は1条の手段と法目的との関係を理解しているかの確認にあります。  この様な問題が出題される可能性のあるは、論述問題の出題傾向の高い意匠法ですので、意匠法1条をみてみます。  「この法律は、意匠の保護及び利用を図ることにより、意匠の創作を奨励し、もつて産業 […]